USB Type-C™ 規格対応で100Wの大電力供給制御

USB Type-Cコネクタで「USB Power Delivery(以下USB PD)」を実現する電力受給電コントローラIC「BD93FxxMWV/BD93ExxGWLシリーズ」。
「BD93FxxMWV/BD93ExxGWLシリーズ」は、USB Type-C規格Rev1.3とUSBPD規格Rev3.0に対応し、最大100W(20V / 5A)までの受給電を可能にします。
これにより、従来のUSB給電では賄えなかった、ノートPCやTVなどの大電力機器を、USB給電による駆動が可能になります。また、大電力給電を活かし、バッテリーの急速充電に応用可能です。
MAP QFNパッケージを採用した「BD93FxxMWVシリーズ」と、CSPパッケージによる省面積の「BD93ExxGWLシリーズ」があります。
USBPDを必要としない最大15W (5V / 3A)までのUSB Type-C受電には、受電能力判定・受電スイッチ制御IC「BD91N01NUX」が最適です。

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FAQ(よくあるお問い合わせ)

Q. USB Type-Cとは?
A. USBコネクタ、ケーブルの新規格。従来のUSBコネクタ、ケーブルと異なりHost側/Device側の区別なく使用することが可能で、コネクタ形状も小型で表裏の無いものに統一されています。
Q. USB Power Deliveryとは?
A. USB Type-Cコネクタ、ケーブルを実装した際、オプションでUSB Power Delivery規格にも対応できます。
USB Power Delivery機能を付けることにより、USB Type-Cコネクタ、ケーブルを介して最大100W(最大20V/5A)の電力供給ができるようになります。市販されている多くのケーブルは3Aケーブルなため、5Aを通電するためには、専用の5Aケーブルが必要です。
Q. Type-Cポートは全てUSB PDですか?
A. USB Power DeliveryはType-Cの機能を拡張する規格になりますので、Type-Cは必ずUSB Power Deliveryを実装しているわけではありません。
USB Power Deliveryを実装しないType-Cポートは、出力電圧は5Vのみになります。ただし従来のUSBと違い、最大3Aまで給電、受電することが可能です。
Q. 使用できるType-Cケーブルに制限はありますか?
A.使用できるケーブルに制限はありません。一方で市販されている多くのケーブルは3Aケーブルなため、5Aを通電するためには、ケーブルが5A対応であることを示す識別用のチップを埋め込んだケーブルが必要です。機器同士が5Aに対応していても、ケーブルが3Aの場合、機器とケーブルがネゴシエーションして電流を3Aに抑えるため、安全に給電を行う事ができます。
Q. USB Power Deliveryで使える電圧、電流を教えてください。
A. USB Power DeliveryにてPower Ruleが定義されています。
電圧は5V / 9V / 15V / 20Vが基準となります。電流は1.5A / 3.0A / 5.0Aが基準となります。
オプションとして、ユーザー定義にて、好きな電圧、電流を追加することも可能です。
Q. USB Power Deliveryの搭載アプリケーションの普及率は?
A. 2020年時点でLaptop PCやスマートフォンといったデジタル機器の殆どがType-Cに置き換わっています。また2021年9月にはEuropean Comissionが、E-waste削減のため特定のデジタル機器はUSB Type-Cを実装して充電を行うように法整備を開始しました。このことから、特定のデジタル機器以外でも、いままでACアダプタを使っていた機器はType-Cへの置き換えを加速すると考えられます。
Q. ROHM USB Power Delivery Controller ICの特長は?
A. 高耐圧プロセスを採用しているのに加えて、多くの保護系統を内蔵しています。このため外付けの保護部品が不要でコスト削減が可能です。またスタンドアロン動作を前提としたファームウェアを実装しているため、お客様でのファームウェア設計が不要で多くの工数を削減することができます。
Q. ファームウェア変更による電圧や電流の設定変更は可能ですか?
A. 設定変更でのお客様のでファームウェア変更は不要です。Type-C/ USB Power Deliveryで使用したい電圧や電流(=電力)は、LSIのGPIOの設定を介して要求頻度の高い電力設定に変更可能です。なおファームウェア変更は基本的にお受けいたしかねます。
Q. 外部インタフェースで制御は可能ですか?
A. BD91N01NUXは出力のみのため、インタフェースを介した設定は不要です。BD93F10MWVおよびBD93E11GWLはスタンドアロン動作を前提としており、外部インタフェースでの設定変更の制御を許可しません。
Q. ROHMの各ラインアップ毎の違いを教えてください。
A. BD93F10MWV: USB Power Delivery Sink専用 Stand-aloneで動作し、パッケージはQFNです。5V以上を使うSink機器への導入に最適です。
BD93E11GWL: USB Power Delivery Sink専用 Stand-aloneで動作し、パッケージはWLCSPです。5V以上を使う小型機器への導入に最適です。
BD91N01NUX: Type-C Sink専用 Stand-aloneで動作します。5Vのみで良い機器への導入に最適です。
Q. DFP、DRP、UFPとは?
A. DFP(Downstream Facing Port): Data(Hostサイド)/ Power(Sourceサイド)
UFP(Upstream Facing Port): Data(Peripheralサイド)/ Power(Sinkサイド)
DRP(Dual Role Port): DFP としてもUFPとしても動作可能です。
ただし、Data RoleのDRPとPower RoleのUSB-PD DRPでは、意味合いが異なるため注意が必要です。
Q. 独自規格充電方式との互換性は?
A. 従来の独自規格の充電方式はType-Aにあるデータ通信用のD±信号を代用したりVBUSに信号を重畳して高速充電を行うためのコミュニケーションを行います。一方Type-CではCC(Configuration Channel)信号をつかってコミュニケーションを行うため、独自規格の充電方式との互換性はありません。またUSBの規格を策定・展開するUSB-IFはType-C™ポートでは、BC1.2とUSB PD以外の充電方式の実装を制限しています。