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オペアンプとは? 負帰還システムとその効果

 

負帰還システム

帰還回路例
【帰還回路例】

オペアンプは高い電圧利得を持つ増幅器ですが、オペアンプ単体で増幅を行うことは殆どありません。
理由は開放利得のばらつきや帯域がせまく増幅率をコントロールすることが難しいからです。
そのため通常は負帰還回路を構成して使用します。
右図に負帰還システムのモデルを示します。

負帰還回路を構成することにより次の利点が挙げられます。

[負帰還回路を構成することによる利点]

  1. 増幅回路の利得が一定となる領域(帯域)を広げることができる
  2. オペアンプの開放利得ばらつきの影響が負帰還回路を構成することにより小さくなる
  3. 歪みを抑制することができる

1. 増幅回路の利得が一定となる領域(帯域)を広げることができる

まず初めに、このモデルの入力と出力の関係である伝達関数を求めます。

VO(s) = A(s)
VIN(s) 1 + β A(s)

AO:オペアンプ開放利得(オープンループ利得)
β:帰還率、
1+βA(s):帰還量
ループ利得:βA(s)

また次式に示すようにオペアンプは1次遅れの伝達関数を持つこととします。

A(s) = AO
1 + ω
  ωO
VO(s) = AO × 1
VIN(s) 1 + βAO 1 + ω
  ωO(1 + βAO)
周波数特性
【周波数特性】

上式の関係を図示したものが上図の周波数特性となります。
負帰還をかけることにより、利得は帰還量 1/(1+βAO) と小さくなり帯域幅はωOから
ωO(1+βAO) に広がっていることが分かります。

2. オペアンプの開放利得ばらつきの影響が負帰還回路を構成することにより小さくなる

次に入力と出力の関係である伝達関数式においてオペアンプの開放利得がAO>>1 のように十分に大きいと仮定すると、 低周波での負帰還回路の利得は1/βに近似できます。
つまり、オペアンプの開放利得が大きい場合オペアンプの利得に関わらず帰還率のみで帰還回路の利得が決まるということになります。
このことは反転増幅器などの増幅回路の低周波での増幅率が外付け抵抗のみで決まるということにつながります。
またオペアンプの開放利得AO>>1 のように十分に大きい場合、温度特性や製造ばらつきによりオペアンプの開放利得が多少変動を起こしても影響は少ないということを表します。

VO = AO = 1 1
VIN 1 + βAO 1 + β β
  AO

3.歪みを抑制することができる。

下図に誤差要素を含む帰還回路を示します。
ここではオペアンプで発生する誤差要素をVD としています。
歪、誤差電圧、ノイズなどの要素が含まれます。

歪み、ノイズを含む負帰還回路
【歪み、ノイズを含む負帰還回路】
VO(s) = A(s)   VIN(s) + A(s) VD
1 + βA(s) 1 + βA(s)

右式に歪を含む伝達関数を示します。
こちらに示されるように、VDの項は利得A(s)が大きいほど小さくなり誤差が抑制されることがわかります。

反対に、負帰還回路を構成することにより不利な点は以下に挙げられます。

[負帰還回路を構成することによる不利点]

  • 増幅回路の利得が一定となる領域(帯域)を広げることができる
  • 帰還により回路が発振しやすくなる。

[PDFファイル]オペアンプ・コンパレータの基礎

エレクトロニクス豆知識