業界最小!車載向け絶縁素子内蔵ゲートドライバを開発
EV、HEVにおけるインバータ回路の小型化、低消費電力化に大きく貢献

発表日:2012-05-14

製品写真

<要旨>
半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)は、電気自動車(EV)やハイブリッドカー(HEV)用のインバータに搭載されているIGBTやパワーMOSFETの駆動に最適な絶縁素子内蔵ゲートドライバ「BM6103FV-C」を開発しました。
本製品は、ローム独自のBiCDMOS技術と新規開発のオンチップトランスフォーマプロセス技術の融合により、絶縁素子を内蔵したゲートドライバとしては、業界最小の小型パッケージとなり、インバータ回路の小型化に貢献します。また、従来のフォトカプラ方式に比べて消費電力を大幅に削減でき、EVやHEVに必要なすべての保護機能や品質要求を備えているためインバータ・システムの設計負荷も軽減します。
さらに次世代パワー半導体として期待されるSiC(シリコンカーバイド:炭化ケイ素)を使用したパワーMOSFETの高速スイッチングにも対応しており、より高効率で低消費な次世代電気自動車の実現にも大きく貢献します。
生産拠点は、ROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)となっており、2012年6月からサンプル出荷(サンプル価格:1,000円)を開始し、 2012年9月から当面月産1万個の規模で量産を開始する予定です。

※ 5月14日現在 ローム調べ

<背景>
近年、EVやHEVの普及が進む中、さらなる性能向上のため、動力部であるインバータ回路の小型化への要求が高まっています。一方、一般的に車載用インバータ1基あたり6個のゲートドライバが搭載されており、インバータ回路の小型化のためには、ゲートドライバの小型化が必要不可欠となっています。また、車載特有の厳しい駆動環境の中で安全性を確保したインバータ回路を実現するためには、様々な保護機能が必要となるほか、運転者を感電から守るため、絶縁素子としてフォトカプラ等の外付け部品も必要でした。こうした中、絶縁素子を内蔵し、かつ小型のゲートドライバへの要求が高まっていました。
一方で、次世代EV/HEVへの搭載が期待されているSiCデバイスをインバータ回路に使用した場合、その高速スイッチング性能によって発生するノイズへの対策も大きな課題となっていました。

<新製品の詳細>
今回ロームでは、独自の微細加工技術を応用し、オンチップトランスフォーマプロセスを開発することにより、小型でありながら絶縁素子を内蔵したゲートドライバの開発に成功。外付け部品を不要にするとともに、小型パッケージの採用により、従来品に比べて実装面積を約50%削減しました。さらに車載インバータ回路に必要とされる保護機能をすべて搭載しているため、インバータの小型化だけでなく、設計負荷の軽減にも大きく貢献します。
また、インバータ回路にSiCデバイス、モジュールを搭載した場合のノイズ対策については、業界最先端を誇る自社製SiCデバイス、モジュールと組み合わせて開発を進めることにより、最適な回路設計を見出し克服。業界で唯一のSiC対応の絶縁素子内蔵ゲートドライバとなっています。

ロームでは、SiCをはじめとしたパワーデバイス事業を成長戦略の一つと位置付けており、2012年3月には世界で初めて"フルSiC"パワーモジュールの量産を開始しました。今後は、SiCの特性を最大限に引き出すゲートドライバの開発を進めるとともに、SiC-IPM(インテリジェント・パワー・モジュール)などの開発も進め、SiC 関連製品のラインアップをさらに拡充してまいります。

<特長>

1)  ローム独自のコアレストランス技術により、2,500Vrms絶縁素子を内蔵
2) 小型パッケージ
従来品に比べ、実装面積を50%以上削減したSSOP-B20W( 6.5㎜×8.1㎜ H=Max 2.01㎜)
3)あらゆる保護機能搭載により、安全設計を実現
ミラークランプ機能、フォールト出力機能、低電圧時誤動作防止機能、サーマルプロテクション機能、短絡保護機能、短絡保護時ソフトターンオフ機能といった車載インバータ回路に要求される保護機能をすべて搭載
≪主要スペック≫主要スペック
4)SiCの高速スイッチングにも対応
業界で唯一、SiCデバイス回路にも対応。ローム製SiC800V、400A出力までの安定駆動を確認済み

SiCの高速スイッチングにも対応

<用語説明>

  1. IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略)
    絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。ゲートにMOSFETを組み込んだバイポーラ・トランジスタ。
  2. MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistorの略)
    金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタのことで、FETの中では最も一般的に使用されている構造である。
    スイッチング素子として使われる。
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