特集:センサー技術
携帯端末に向けたMEMSセンサーのインテグレーション

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ウェアラブル脈波センサーの研究開発

ここ数年、エレクトロニクス製品におけるMEMSセンサーの重要性は、ますます高まっている。特に、画面の方向検知、ジェスチャー認識、歩数計測あるいはパーソナル・ナビゲーションといった機能をあらゆるタイプの携帯端末に搭載するうえで、MEMSセンサーの需要は高まる一方である。
また、携帯端末市場においてセンサーのインテグレーション(統合)に対する顧客要望が高まるにつれて、センサー製品のサプライヤーであるKionix,Inc. (以下、カイオニクス社)のセンサー・フュージョン技術は、製品の付加価値を高めるための中心的役割を果たしている。
カイオニクス社のセンサー・フュージョンは、搭載したマイクロプロセッサ上でのソフトウエアにより動作するもの、またはアプリケーションプロセッサ上でのソフトウェアにより動作するもののいずれにも対応可能な、非常に柔軟性に富んだソリューションである。当社のセンサー・フュージョンは、幅広い複合センサー(加速度センサーと地磁気センサー、加速度センサーとジャイロスコープ、あるいは加速度センサー、地磁気センサー、ジャイロスコープの3つが一体化した複合センサー)において、様々な製品群や使用されるハードウェア環境に依存することなく対応することができる(図1)。

[図1] カイオニクス社のセンサー・フュージョンのハードウェアおよびソフトウェアソリューション構成

カイオニクス社のセンサー・フュージョンで固定小数点のマイコンRTOS(リアルタイムOS)システムから浮動小数点プロセッサ、アンドロイドやウィンドウズ8のような携帯電話OSまで、あらゆるオペレーションシステムに対応可能である。また同センサー・フュージョンは、洗練されたパワーマネジメント機能を備えており、設計者が最小限の電力により各センサー間の相互作用およびデータ生成を行うことをサポートする。カイオニクス社のセンサー・フュージョンはまた、高度なモーション信号処理や特定機能のためにサードパーティまたは顧客によって開発されたソフトウエアにも対応することができる。さらに、特定の顧客に対しては、ソースコードの提供と直接的なサポートを行う。カイオニクス社のセンサー・フュージョンを活用することで、設計者はキャリブレーション、補正、バイアス及び異常値の修正、電池寿命の向上、異なるセンサーデバイス間の干渉を防止することが可能となる。同ソリューションは、センサー市場における最も高性能なツールであり、顧客が従来から求めてきた柔軟性とパフォーマンスを同時に提供している(図2)。

[図2] カイオニクス社のセンサー・フュージョン概念図

 

複合センサーを追加し、製品ラインアップを拡充

より小さく、より高い性能を求める顧客の期待に応えるため、カイオニクス社は民生アプリケーション向けに低消費、低電流の6軸センサーKXG02(加速度センサーとジャイロセンサーの複合センサー)を発表した。さらに、パートナー企業から提供される地磁気センサーを組み合わせることで、9軸センサーも実現可能となる。KXG02は4×4×0.9ミリのパッケージで、業界トップレベルとなる駆動電流4µAの低消費電力構造、環境設定可能なインタラプトエンジンを備えたウェイクアップ機能を特徴としている。
同製品は、パフォーマンスを犠牲にすることなく、基板の省スペース化に貢献し、よりシンプルな顧客設計を実現する。
KXG02は内部に電圧レギュレータを持ち、最大16ビットの加速度センサー及びジャイロスコープのアウトプット、ユーザーで選択可能なバンド幅、内蔵された温度センサー、そして1024バイトのFIFOバッファに加えI2Cマスター機能を備えている。同製品は、カイオニクス社のラインアップの中でも次世代を担う製品であり、急拡大する民生エレクトロニクス市場のニーズにマッチしている。
他方、3軸ジャイロスコープは、ユーザーインターフェイスやゲーム機器、ナビゲーションなど、幅広い民生機器のアプリケーションに必要とされるようになっており、ここ数ヶ月のうちにさらなる需要拡大が見込まれている。このような流れのなかでカイオニクス社では、多くの開発リソースを投入し、新たな3軸ジャイロスコープKGY23を開発した。同製品は4×4×0.9ミリのパッケージで、業界トップレベルの低消費電力と低ノイズを実現している。また、同製品はユーザーにてプログラム可能なフルスケール幅やバンド幅、I2CまたはSPIのデジタルI/F、温度センサーを内蔵している。カイオニクス社は、業界をリードするジャイロスコープおよび複合センサー製品の開発をさらに推し進め、より小さく、より高機能な製品を求める顧客の要望に応えていく。

最先端のセンサーチップを搭載した新たな加速度センサー

カイオニクス社はさらに、業界最小となる2×2×0.9ミリサイズのKXTJ2を発表した。同製品は、新設計のMEMSセンサーチップ(写真)を搭載、類稀な安定性と、業界をリードする衝撃耐性、リフロー温度に対する耐性を備えている。このMEMSセンサーチップは、顧客の製造工程におけるキャリブレーションの負荷低減に貢献することで、大幅なコストダウンを実現する。あわせて、駆動電力とノイズの大幅な低減により、ハンドセットやタブレットPC市場において他社の追随を許さない製品となっている。また、3×3×0.9ミリサイズの加速度センサーを求める顧客に向けて、カイオニクス社は新たにKXCJ9を発表した。同製品は、KXTJ2と同様の機能を提供しながら、当社製の従来デジタル品と同じピン配置の製品となっており、カイオニクス製品のより容易な継続使用を可能にする。
これら新製品のサンプルは、今年6月下旬から限定出荷する予定である。 カイオニクス社は、センサー業界において世界トップ3社のうちの1社であり、顧客からその品質及び開発力に定評をいただいている。親会社であるロームの協力のもと、十分な生産能力と強化された開発リソースおよび世界を跨ぐ顧客サポート力をベースに、更なる革新を続けいき、顧客に明るい未来を約束する。

[写真] カイオイオニクス社の新MEMSセンサチップ構造図

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