ローム・OKIセミコンダクタが共同で、米Intel®社次世代組込みプロセッサ
「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」 向けチップセット及びリファレンスボードを完成!

発表日:2010-09-15


半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)はこのほど、ロームグループのOKIセミコンダクタ社との共同開発により、米Intel®社の組込み用途向けに新たに開発された「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」(開発コードネーム「Tunnel Creek」)を用いたシステムを構成するのに必要なLSIチップセット3アイテムの開発を完了しました。これらの製品は、2010年9月中旬からサンプル出荷、2010年10月から月産10万個(IOH)、PMIC、CGICについてはそれぞれ50万個(PMIC,CGIC)の体制で量産を開始する予定です。今回ロームグループが開発したチップセットは、 ①Input-Output Hub LSI (IOH) (カーインフォテイメント用、IPメディアフォン用の2機種)、 ②チップセット用パワーマネジメントLSI(PMIC)、 ③クロックジェネレータLSI(CGIC)の3つで構成され、IOHの2機種についてはOKIセミコンダクタ社、パワーマネジメントLSIとクロックジェネレータLSIについてはロームがそれぞれ開発を担当、チップセットに必要な3機種のシリーズ化を実現、同時にこれらのチップセットを使用したリファレンスボードも既に完成しており、お客様への提供が可能です。

米Intel®社が開発した「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」は、プロセッサ市場で高いシェアを持つ米Intel®社が組込機器用として開発したプロセッサであり、3D画像表示など高機能化のニーズが加速するなかで、CISCプロセッサとして業界の中で圧倒的なハイパフォーマンスを実現。さらに、ソフトウェア開発の負担が加速的に増加するなかで、マイクロコントローラのバージョンアップ時にソフトウェアの共通化を図れるため、ユーザーのシリーズ展開や高機能セットの開発に必要であったソフトウェア開発負担を劇的に軽減することが可能となります。

ロームでは、自社のアナログ/リニアの優れた回路技術を背景に、車載、携帯電話、デジタルAV機器をはじめとする幅広いアプリケーションに対し、各種パワーマネジメントLSIや信号処理LSI、リニア制御LSIなどを提供。また、世界10ヶ所のデザインセンターを拠点にワールドワイドに広がる充実した顧客サポートを展開しています。一方OKIセミコンダクタ社は、通信、車載など向けのロジックデバイスの高い技術を有しており、2008年10月にOKIセミコンダクタ社がロームグループ入りした後、両者の持つIPの共有を進め、ロームグループの中核開発拠点であるローム新横浜テクノロジーセンターを中心に、両者の開発陣が一丸となってシステムソリューション力の強化を進めてきました。今回の「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」に対するチップセットの開発はこうした開発力強化の成果の一つであり、ロームとOKIセミコンダクタ社がそれぞれ得意とする技術を駆使して高機能のLSIデバイスを開発したことで、「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」を使用する世界中のお客様に対して、ワンストップソリューションを提供することが可能です。また、システム設計スケジュールの大幅短縮や、お客様でカスタマイズをされる場合のトータルサポートやチップセットのマッチングのし易さなど、他社にない付加価値をご提案できます。具体的には、通常はお客様側で開発されるリファレンスボードをロームグループで既に開発、評価を完了、リファレンス回路として、また場合によってはリファレンスボードそのものを提供できるため、お客様側でのリファレンスボード開発工程が不要となり、システム設計期間を大幅に短縮することが可能です。

ローム及びOKIセミコンダクタ社では、今回の車載用、IPメディアフォン用のチップセット供給をきっかけにして、今後さらに製品ラインアップを強化、産業用ロボットやPOSシステムをはじめとする産業機器から、AV機器やアミューズメント機器などの民生機器用用途に至るまで幅広いチップセットのラインアップ強化をはかっていきます。

今回開発を完了したロームとOKIセミコンダクタ社のチップセットソリューションは、米Intel®社が供給する「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」に加えて、IOH LSI 「ML7223(V)(IPメディアフォン用)/ML7213(カーインフォテイメント用)」、チップセットのパワーマネジメント用LSI 「BD9594MWV」、クロックジェネレータLSI 「BU7335MWV」の合計4チップとなり、それぞれの各仕様は以下の通りとなっています。
 

  1. IOH LSI「ML7223(IPメディアフォン用)」
    (サンプル価格 3500~4000円)
    SATA、USBなどIPメディアフォンに必要なインターフェースに加え、Giga-bit EtherMAC、IPsecハードウエアアクセラレータ、更には、オプションでハンズフリー通話実現に必須のエコー/ノイズキャンセラなどを内蔵しています。加えて、外部FPGAを本LSIにカスケード接続することによりIOHの機能拡張が行える高速BUSも有しており、共通の基本設計で、幅広いレンジのアプリケーション開発が容易に、かつ、短期間で行えます。(本機能は②のML7213でもサポートされております)
  2. IOH LSI「ML7213(カーインフォテイメント用)」
    (サンプル価格 3500~4000円
    Video入力、SDVOコンバータ、USB、SATAなど標準的なインターフェースに加えて、
    MOSTネットワーク対応MediaLB®インターフェースなどを搭載しています。
  3. パワーマネジメントLSI「BD9594MWV」
    (サンプル価格 1,000円)
    • 今回開発したパワーマネジメントLSI 「BD9594MWV(12V仕様)/BD9591MWV(5V仕様)」は、 PC電源分野で培ったCPU電源制御技術やローム独自の業界最高水準の過渡応答性を持ったH3Reg™を盛り込んで開発した、 「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」対応の20chシステム電源で、1ch DC/DCコントローラ、 4ch DC/DCレギュレータ、8ch LDO、6ch Load SW、1ch VTT for DDRのチップセットに必要な全ての電源供給機能を内蔵しています。
    • 「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」を用いたシステムに最適な電源オンオフシーケンスコントローラを内蔵しているため 従来ではマイコンやPLDを用いて構成していた複雑な電源シーケンス設計が不要となり、ハイパフォーマンス・省スペースを実現できる電源LSIです。
  4. クロックジェネレータLSI「BU7335MWV」
    (サンプル価格 400円)
    • 今回開発したクロックジェネレータIC「BU7335MWV」は、ローム独自の周波数精度の高いPLL技術(特許技術)を採用し、またEMI対策としてはSS(Spread Spectrum)技術も盛り込むことで、「Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ」のプラットフォームに最適な1チップクロックシステムを実現できるICです。
    • CPU(3ライン)に加えて、PCIe、SATA、Graphic(1ライン)、USBなどチップセットに必要なクロックを全て内蔵。BD9591MWV/BD9594MWVからのコントロールによりシーケンス制御が可能です。
     

用語説明

  • CISC
    Complex Instruction Set Computerの略。マイクロプロセッサの基本方式の一種。一つの命令で複雑な処理を実行可能にすることで、処理能力の向上を図っている。これに対して、個々の命令を単純化し、それらの組合せで複雑な処理も実行できるようにした RISCプロセッサと呼ぶ方式もある。
  • SDVO
    Serial Digital Video Outの略。
    Intel®社が策定したデジタル方式のディスプレイ・インターフェース規格。変換デバイスにより、さまざまな規格のディスプレイへの対応が可能。
  • SATA
    SATA、Serial Advanced Technology Attachmentの略。
    ハードディスクや光ディスクドライブなどの記憶装置を接続するための高速インターフェース規格。
  • PCIe
    PCI Expressの略。
    2002年にPCI-SIGによって策定されたシステム用の高速内部バス規格。旧来のPCIバスとソフトウェア互換性あり。 シリアル伝送方式により、信頼性の高いデータ転送、およびスケーラブルな接続形態が利用可能。
  • IPsec
    Internet Protocol securityの略。
    暗号技術を用いて、IPパケット単位でデータの改竄防止や秘匿機能を提供するセキュリティ機能を施した通信プロトコル。
  • MOST
    Media Oriented System Transportの略。
    欧州の車両メーカーが主導して規格化されたマルチメディアネットワーク技術。伝送にはプラスチック光ファイバーおよび銅線ケーブルを使用。
  • MediaLB®
    Media Local Busの略。
    SMSC社が開発したIC間でマルチメディアデータを効率的に伝送するための規格。複数のICをMOSTネットワークインタフェースコントローラに接続するためのローカルなシリアルバスであり、MOSTと同期して動作。
  • SS(Spread Spectrum)技術
    デジタル機器のノイズ対策として使われる技術で、クロック周波数を変調させることにより、ノイズのピークレベルを下げる技術。
     

チップセットの構成例

チップセットの構成例
 

コメント

  • 米Intel®社Low Power Embedded Product Division Vice President, Intel Architecture Group and General Manager Ton Steenman様のコメント
    "The Intel® Atom™ processor E6xx series are fully integrated system-on-a-chip (SoC) products designed specifically for embedded applications and are unprecedented in that they utilize the open standard PCI Express as the processor-to-chipset interface. This unique feature provides our customers with the IO flexibility needed for a broad range of embedded applications, including solutions such as in-vehicle infotainment systems and media phones. By providing dedicated PMIC and clock generator chips as well as application-specific Input-Output Hub LSIs (through OKI Semiconductor) to support Atom E6xx designs, ROHM Group products will help reduce design complexity and cost for embedded customers."
    (翻訳:ご参考)
    「『Intel® Atom™ プロセッサ E6xx シリーズ』は、チップセットインタフェースとして、当社としては初めてPCI Expressを採用した組込機器向けのsystem-on-chip(SoC)商品です。CPU自体に業界標準規格であるPCI Expressを備えたことで、例えば、カーインフォテイメント機器やIPメディアフォンなど、お客様が開発される組込機器の需要に合わせたコンパニオンチップの選択が可能となりました。ロームのパワーマネジメントLSI、クロックジェネレータLSIや、OKIセミコンダクタの用途特化のIOHは、複雑化する設計作業の軽減とコスト削減に貢献すると考えます。」
  • ローム株式会社 取締役 LSI開発統括本部長 高野利紀のコメント
    「今回、必要なチップセットをすべて揃えることができたのは、幅広いアナログ・リニア技術を有するロームと優れたローパワーロジック技術をもつOKIセミコンダクタのコラボレーションの大きな成果と考えています。今後も米Intel®社「Intel® Atom™プロセッサ ファミリ」向けチップセットソリューションのラインアップ充実をはかり、デジタルAVなどの民生機器から産業機器までの幅広いユーザーに対してサポートを強化していく所存です。」

 

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