リアルインデックスガイド構造により低動作電流・高温時の安定動作を実現!
ゲーム機・ポータブル機器・スリムドライブ用、カーDVD・カーナビ用に2波長半導体レーザを3機種開発!

発表日:2010-03-01


半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)は、このほど従来に比べ大幅に低動作電流化を実現することにより高温時でも安定動作を可能にした2波長半導体レーザ3機種を開発しました。現在、DVDやCDの再生用半導体レーザは、その導波構造として「ロスガイド」が使われていますが、ロームはこのほど光の吸収損失が少なく信頼性に優れた「リアルインデックスガイド」を再生用として初めて採用し、従来の「ロスガイド」のものに比較して大幅な低消費電流と安定動作を実現しました。
半導体レーザの導波構造は「ロスガイド」と「リアルインデックスガイド」の2種類があり、「ロスガイド」は構造が簡単でコストが安い反面、レーザ光を発振する際に、デバイス内部に光を吸収してしまう傾向があり、高温時の動作が不安定になっていました。一方「リアルインデックスガイド」は、デバイスが光を吸収してしまうことがなく安定動作が可能ですが、製造工程が複雑で製造コストが高く、主に高出力用レーザに使われていました。今回ロームでは「リアルインデックスガイド」が光の吸収損失がなく、高効率であることに着目し、低出力用途に合わせて新たに設計することにより、信頼性の高いDVD/CD再生用2波長レーザの開発に成功しました。
DVD/CD市場は成熟期にあり、ブルーレイディスクへの世代交代が進みつつありますが、既存メディアとの互換性を確保するため、ブルーレイディスクレコーダ/プレーヤにおいてもDVD/CD用レーザが引き続き搭載されています。また青紫レーザとDVD/CD用レーザはウエハ材料が異なるため、1チップ化が難しく、当面ブルーレイディスク用レーザとは別にDVD/CDレーザが搭載されるものと考えられます。
これらの新製品の生産はチップ工程をローム本社(京都市)、組立工程はROHM SEMICONDUCTOR CHINA CO., LTD.(中国・天津)で行います。今回開発した3機種の具体的な特長は以下のとおりです。
 

  1. ゲーム機・ポータブル機器・スリムドライブ向け
    CD/DVD再生用2波長半導体レーザ「RLD2WMUL3」・「RLD2WMFL3」

    従来、ゲーム用、ポータブル機器向けレーザは75℃の動作保証温度でしたが、ロームでは、DVD使用時30%減、CD使用時46%減(いずれも80℃動作時)と大幅な低消費電流化により80℃の動作保証温度を実現し、システムの低消費電力化とセット設計時の放熱対策の簡略化(ex.金属放熱板からプラスチック放熱板への変更など)により、セットのコストダウンが可能となりました。
    パッケージは、車載用(社外品)などに適した高放熱の5.6OCANパッケージタイプ「RLD2WMUL3」(サンプル価格:1,000/個)とゲーム用などのポータブル民生機器に適した樹脂フレームパッケージタイプ「RLD2WMFL3」(サンプル価格:800円/個)の2タイプを用意しております。量産については2010年3月から当面月産100万個の体制で開始いたします。
     
  2. カーDVD、カーナビ向け CD/DVD再生用2波長半導体レーザ「RLD2WMNL2
    車載用の純正DVD/カーナビにおいては、メーカーから動作保証温度が85℃に指定されていますが、従来は高温下における光の吸収損失を相殺するため、チップ長(共振器長)と発振波長を長めにとり、温度特性を改善していました。しかしながら670nmまで波長が長い設計とすると、655nmの波長に最適化されているDVDにおいては、データの読み取り時に不安定になるリスクがありました。特にDVD-Rなど有機膜を変色させるタイプのディスクでは、波長のバラツキに対する許容範囲が狭く、音飛びなどの原因となっていました。
    今回ロームが開発した半導体レーザは従来に比べDVD使用時で44%減、CD使用時で43%減(何れも85℃動作時)の低動作電流化によってチップ長や発振波長を長くすることなく、高温での安定動作を可能とし、音飛びや誤動作に対して安定動作とセット設計の簡略化に貢献できます。また、パッケージはガラスウインドウのある完全封止CANパッケージを採用しており、過酷な車内環境に対しても高い信頼性を実現できます。
    量産はすでに昨年11月から月産10万個の体制で開始しております。(サンプル価格:2,000円/個)
     

ロームではDVD/CD再生LDを重要市場と捉え、ユーザーのご要望にお応えした高付加価値半導体レーザの開発・量産を今後も進めていく方針です。
 

■補足資料

1.ケース温度85℃での「RLD2WMNL2」と他社品との比較

ケース温度85℃での「RLD2WMNL2」と他社品との比較

2.主な仕様

①ゲーム機、ポータブル・スリム光ディスクドライブ向け CD/DVD再生用2波長半導体レーザ
  「RLD2WMFL3」(フレームパッケージ)、「RLD2WMUL3」(オープンタイプCANパッケージ)

品名 絶対最大定格(Tc=25℃) 電気的・光学的特性(Tc=25℃)
光出力
(mW)
逆方向
電圧
(V)
動作
温度
(℃)
保存
温度
(℃)
発振
波長
(nm)
発振開始
電流
(mA)
動作
電流
(mA)
動作
電圧
(V)
モニタ
電流
(mA)
水平
拡がり角
(deg)
垂直
拡がり角
(deg)
RLD2WMNL2 7/7 2/2 -30 to +85 -40 to +85 663/785 18/15 24/20 2.3/1.8 0.25/0.25 10/10 28/32


■用語説明

  • 導波構造
    電流と光を閉じ込め、指向性の鋭いレーザ光を発振させるための構造。
  • ロスガイド/リアルインデックスガイド
    活性層内部における電流ブロック層が光を吸収してしまう構造をロスガイドといい、光に対して透明な構造を   リアルインデックスガイドという。リアルインデックスガイドを採用すると光の吸収による損失が低減することか ら、ロスガイドと比べて低電流でのレーザ発振が可能となる。活性層内部における電流ブロック層が光を吸収してしまう構造をロスガイドといい、光に対して透明な構造を   リアルインデックスガイドという。リアルインデックスガイドを採用すると光の吸収による損失が低減することか ら、ロスガイドと比べて低電流でのレーザ発振が可能となる。
     
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