2017年5月29日<要旨>ローム株式会社(本社:京都市)は、低消費電力化が要求される白物家電や産業機器などのモータ駆動に最適な高速trr※1タイプ600V SuperJunction MOSFET PrestoMOS™ (プレストモス)※に新たに「R60xxMNxシリーズ」をラインアップしました。PrestoMOS™は、業界最速のtrr性能が特長のパワーMOSFETで、業界最小のスイッチング損失を誇ります。インバータ搭載の白物家電の低消費電力化を実現することから非常に高い評価を得ています。今回、「R60xxMNxシリーズ」は、ローム独自のチップ構造で最適化を行うことにより、PrestoMOSTMの高速trr性能という特長を維持したまま、オン抵抗※2とQG※3の劇的な低減に成功しました。これによりインバータ搭載エアコンなどモータ駆動のアプリケーションにおいて、従来のIGBTと比較し、軽負荷時の電力損失を約56%低減させ、劇的な省エネ化に貢献します。さらに「R60xxMNxシリーズ」はロームが長年培ってきたアナログ技術のノウハウを駆使することで、高短絡耐量も実現。回路の誤動作などによる異常発熱での破壊というリスクを軽減し、アプリケーションの信頼性向上にも貢献します。なお、本シリーズは、2016年12月から月産10万個の体制で量産を開始しており、生産拠点は、前工程がローム・アポロ株式会社(福岡県)、後工程がROHM Korea Corporation (韓国) となります。ロームは今後もアナログ設計技術を駆使した高性能・高信頼製品を開発し、社会の省エネ化に貢献していきます。<背景>近年、省エネ化の動きが加速する中で、省エネ法の改定により、家電製品はより使用実態に近いエネルギー消費効率を示すAPF (Annual Performance Factor) ※4を表記する傾向にあり、電力負荷の大きい機器起動時や定格条件だけでなく、負荷の小さい定常運転時における省エネ化の動きが高まっています。世界の電力需要の内、50%近くがモータを駆動するために使用されると言われており、新興国へエアコンの普及が進むとともに、世界的な電力事情は年々逼迫すると考えられています。そこでロームは、低消費電力化が要求されるエアコンなどの白物家電や産業機器などのモータ駆動に最適なPrestoMOSTMを開発。アプリケーションの定常運転時の大幅な低消費電力化を実現し、社会の省エネのニーズに応えます。 <特長>1. 業界最速のtrr性能と低オン抵抗、低QGによりアプリケーションの省エネを実現一般的にMOSFETは高速スイッチングや低電流域での導通損失が低いといったメリットがあり、機器の定常運転時の低消費電力化に効果があります。「R60xxMNxシリーズ」は、ローム独自のライフタイム制御技術を駆使することにより、業界最速trr性能を維持しながら、オン抵抗とQGを低減し、インバータ回路の省エネ化に最適な性能を実現しました。2. 高短絡耐量による信頼性の確保通常、短絡が発生すると回路が誤動作し、設計値を超える大電流が流れ、異常発熱を引き起こし、破壊に至る可能性があります。これまでは、性能と短絡のトレードオフの関係性から、高短絡耐量を確保するのは困難でしたが、「R60xxMNxシリーズ」はロームのアナログ技術を駆使することで、熱暴走の原因である寄生バイポーラトランジスタの最適化に成功。モータ駆動で必須となる短絡耐量を確保し、アプリケーションの信頼性向上にも貢献します。3. セルフターンオンによる損失が微小セルフターンオンとは、MOSFETがオフの状態でハイサイドの主スイッチがオンになると、ローサイドMOSFETのドレイン・ソース間に急に電圧がかかり、電圧がゲートへ誘起され、ゲート電圧の上昇によりMOSFETが誤動作することを差します。この現象により、MOSFET内で自己電力損失が生じますが、「R60xxMNxシリーズ」は寄生容量の最適化により、この損失を微小に抑制。自己電力損失を最小限に抑えることが可能です。<アプリケーション>エアコン、冷蔵庫、産業機器(充電ステーション等)<ラインアップ表>パッケージ用途品名極性(ch)VDSS(V)ID(A)PD (W)(Tc=25°C)RDS(on) (Ω)Qg Typ.(nC)Trr(Typ.)(ns)駆動電圧(V)VGS=10VTyp.MaxVGS=10VR60xxMNxシリーズTO-252スイッチングR6010MND3N600101430.280.38208010☆R6008MND360081150.450.6113.565R6007MND36007950.540.731060TO-220FMR6030MNX60030900.110.154590☆R6020MNX60020720.190.253085TO-3PFR6047MNZ600471020.060.08170105TO-247R6076MNZ1600767400.040.055115135R6047MNZ1600474400.060.08170105その他、下記のパッケージにてラインアップを取り揃えておりますのでお問い合わせください。なお、TO-263(LPTS)パッケージもサンプルを一部ご用意しております。PackageTO-252TO-220FMTO-3PFTO-247<用語説明>※1 trr : 逆回復時間スイッチングダイオードがオン状態から完全なオフ状態になるまでにかかる時間のこと。※2 オン抵抗 : Ron(Ω)スイッチングダイオードがオン状態になっている時の抵抗値。※3 QG : ゲート入力電荷量MOSFETのオン・オフに切り替える際に、ゲート電極に注入する必要がある電荷量。※4 APF (Annual Performance Factor)通年で家庭用エアコンを使用した際のエネルギー消費効率。数値が大きければ大きいほど省エネ性が高い。<PrestoMOS™とは>Presto: "きわめて速く"を表すイタリア語を用いた音楽用語。業界最速のtrr性能が特長のロームオリジナルのパワーMOSFET。業界最小のスイッチング損失を実現した製品。
業界最速trr性能の600V SuperJunction MOSFET PrestoMOS(プレストモス)™ に
低オン抵抗と低QGを実現した「R60xxMNxシリーズ」をラインアップ
インバータ搭載エアコンなどモータ駆動アプリケーションの劇的な省エネ化に貢献
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、低消費電力化が要求される白物家電や産業機器などのモータ駆動に最適な高速trr※1タイプ600V SuperJunction MOSFET PrestoMOS™ (プレストモス)※に新たに「R60xxMNxシリーズ」をラインアップしました。PrestoMOS™は、業界最速のtrr性能が特長のパワーMOSFETで、業界最小のスイッチング損失を誇ります。インバータ搭載の白物家電の低消費電力化を実現することから非常に高い評価を得ています。
今回、「R60xxMNxシリーズ」は、ローム独自のチップ構造で最適化を行うことにより、PrestoMOSTMの高速trr性能という特長を維持したまま、オン抵抗※2とQG※3の劇的な低減に成功しました。これによりインバータ搭載エアコンなどモータ駆動のアプリケーションにおいて、従来のIGBTと比較し、軽負荷時の電力損失を約56%低減させ、劇的な省エネ化に貢献します。
さらに「R60xxMNxシリーズ」はロームが長年培ってきたアナログ技術のノウハウを駆使することで、高短絡耐量も実現。回路の誤動作などによる異常発熱での破壊というリスクを軽減し、アプリケーションの信頼性向上にも貢献します。
なお、本シリーズは、2016年12月から月産10万個の体制で量産を開始しており、生産拠点は、前工程がローム・アポロ株式会社(福岡県)、後工程がROHM Korea Corporation (韓国) となります。
ロームは今後もアナログ設計技術を駆使した高性能・高信頼製品を開発し、社会の省エネ化に貢献していきます。
<背景>
近年、省エネ化の動きが加速する中で、省エネ法の改定により、家電製品はより使用実態に近いエネルギー消費効率を示すAPF (Annual Performance Factor) ※4を表記する傾向にあり、電力負荷の大きい機器起動時や定格条件だけでなく、負荷の小さい定常運転時における省エネ化の動きが高まっています。世界の電力需要の内、50%近くがモータを駆動するために使用されると言われており、新興国へエアコンの普及が進むとともに、世界的な電力事情は年々逼迫すると考えられています。そこでロームは、低消費電力化が要求されるエアコンなどの白物家電や産業機器などのモータ駆動に最適なPrestoMOSTMを開発。アプリケーションの定常運転時の大幅な低消費電力化を実現し、社会の省エネのニーズに応えます。
<特長>
1. 業界最速のtrr性能と低オン抵抗、低QGによりアプリケーションの省エネを実現
一般的にMOSFETは高速スイッチングや低電流域での導通損失が低いといったメリットがあり、機器の定常運転時の低消費電力化に効果があります。「R60xxMNxシリーズ」は、ローム独自のライフタイム制御技術を駆使することにより、業界最速trr性能を維持しながら、オン抵抗とQGを低減し、インバータ回路の省エネ化に最適な性能を実現しました。
2. 高短絡耐量による信頼性の確保
通常、短絡が発生すると回路が誤動作し、設計値を超える大電流が流れ、異常発熱を引き起こし、破壊に至る可能性があります。これまでは、性能と短絡のトレードオフの関係性から、高短絡耐量を確保するのは困難でしたが、「R60xxMNxシリーズ」はロームのアナログ技術を駆使することで、熱暴走の原因である寄生バイポーラトランジスタの最適化に成功。モータ駆動で必須となる短絡耐量を確保し、アプリケーションの信頼性向上にも貢献します。
3. セルフターンオンによる損失が微小
セルフターンオンとは、MOSFETがオフの状態でハイサイドの主スイッチがオンになると、ローサイドMOSFETのドレイン・ソース間に急に電圧がかかり、電圧がゲートへ誘起され、ゲート電圧の上昇によりMOSFETが誤動作することを差します。この現象により、MOSFET内で自己電力損失が生じますが、「R60xxMNxシリーズ」は寄生容量の最適化により、この損失を微小に抑制。自己電力損失を最小限に抑えることが可能です。
<アプリケーション>
エアコン、冷蔵庫、産業機器(充電ステーション等)
<ラインアップ表>
(ch)
(V)
(A)
(Tc=25°C)
(nC)
(Typ.)
(ns)
(V)
その他、下記のパッケージにてラインアップを取り揃えておりますのでお問い合わせください。
なお、TO-263(LPTS)パッケージもサンプルを一部ご用意しております。
Package
<用語説明>
<PrestoMOS™とは>
Presto: "きわめて速く"を表すイタリア語を用いた音楽用語。
業界最速のtrr性能が特長のロームオリジナルのパワーMOSFET。業界最小のスイッチング損失を実現した製品。
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