DCファンモータ駆動 降圧DC/DCコンバータ業界初、DCファンモータの速度制御が可能なDC/DCコンバータ「BD9227F」を開発
従来のディスクリート構成をIC化することで、部品占有面積を75%削減

2016年11月18日

※2016年11月18日現在ローム調べ

<要旨>

SOP8 package

ローム株式会社(本社:京都市)は、冷蔵庫内の冷気循環などに使用されるDCファンモータ用電源に最適な降圧DC/DCコンバータ「BD9227F」を開発しました。
BD9227F」は、MCUが生成するPWM信号のDuty*1に応じて出力電圧を線形制御することで、DCファンモータの回転速度を高精度に制御可能な業界初の電源ICです。従来のディスクリート部品構成と比較した場合、高精度制御に加えて、ICのアナログ回路設計技術による1MHzの高周波駆動と回路最適化を実現しています。これにより、大きなコイルや出力コンデンサなどの周辺部品を小型化し、部品占有面積を従来構成比で約75%削減すると同時に、電力変換効率も19%向上 (出力電流300mA時) できるため、DCファンモータを搭載するアプリケーションの高精度化と小型化、電力変換効率の向上に貢献します。
なお、本製品は2016年10月より月産10万個の体制で量産 (サンプル価格500円/個:税抜) を開始しました。生産拠点は前工程がローム浜松株式会社 (浜松市)、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc. (フィリピン) となります。

<背景>

近年、「インテリジェント化」、「小型化」、「高効率化」は電子業界の3大課題とも言われ、市場の需要が高まっています。また、世界の電力需要の内、50%近くがモータを駆動するために使用されると言われており、製品の構造設計と環境保護のために、よりインテリジェント、小型、高効率なモータ駆動の実現が求められています。
これまで、冷蔵庫などに搭載されるDCファンモータの電源部は、ディスクリート部品で構成されることが主流でしたが、高精度制御が難しい上に高周波駆動ができず、周辺部品に大きなコイルと出力コンデンサが必要となるため、占有面積も大きくなるという課題がありました。

DCファンモータ電源をICの化するメリット

<特長>

PWM Duty vs. Vout

1. 出力電圧の線形制御により、
モータ回転速度の高精度化を実現

従来のディスクリート構成時には、PWM端子に入力されたパルスのDutyに対して出力電圧に線形性がないため、モータの回転速度を高精度に制御することが困難でした。
BD9227F」はMCUが生成するPWM信号のDutyに応じて出力電圧を線形制御しているため、DCファンモータの回転速度をより高精度に制御することが可能です。

2. 部品占有面積を75%削減

従来のディスクリート構成では、MCUから入力されるPWM信号を高周波化することができないため、大きなコイルと出力コンデンサが必要となり、部品占有面積が大きくなる課題がありました。
BD9227F」は、IC内の周波数制御により、動作周波数1MHzの高周波で駆動できるため、大きなコイルや出力コンデンサなどの周辺部品を小型化し、従来構成比で占有面積を約75%削減することが可能です。

部品占有面積を75%削減

3. 全負荷帯で高効率を実現

電源変換効率 - 出力電源

BD9227F」はディスクリート構成に比べ、全負荷領域において高効率化を実現しています。例えば300mA負荷時には、電力変換効率を約19%向上することができます。高負荷時には、その差がさらに顕著になります。

4. 100% Dutyも生成可能

ハイサイドPMOS搭載により、ICとしては珍しい100% Dutyの出力電圧も生成可能です。

<製品概要>

品名 パッケージ 入力電圧
範囲
出力電圧
範囲
基準電圧 スイッチング
周波数
出力電流 動作温度範囲
BD9227F SOP8
(5.00mm
×
6.20mm
×
1.71mm)
6V to 20V VCC*0.25V
to VCC V
1.0V±1.0% (25°C)
±2.0%
(-40°C~85°C)
1.0MHz (typ.) 1A (Max.) -40°C~85°C

<用語説明>

*1) PWM (Pulse Width Modulation / パルス幅変調)、Duty (デューティー)
PWMは、1周期内のオン時間とオフ時間を定め、それを繰り返しスイッチングすることで出力電圧を制御する方法。Dutyは、PWMにおける1周期内のオン時間割合に相当し、この割合が高くなるほど出力電圧は高くなる。
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