絶縁型フライバックDC/DCコンバータ産業機器インバータ向け、絶縁電源制御IC「BD7Fシリーズ」を開発
フォトカプラ不要で、小型化、省電力化、高信頼化を一気に実現

2016年7月6日

<要旨>

HSON8BD7Fx00HFN-LB HTSOP-J8BD7Fx00EFJ-LB

ローム株式会社(本社:京都市)は、ソーラーインバータやFAインバータ、蓄電システムなどの大電力を扱う産業機器インバータ向けに、絶縁型フライバック*1DC/DCコンバータ制御IC「BD7Fシリーズ」(BD7F100HFN-LB / BD7F100EFJ-LB / BD7F200HFN-LB / BD7F200EFJ-LB)を開発しました。

従来、フライバック方式の絶縁電源制御には、フォトカプラ*2が使用されていましたが、消費電流や温度変化、寿命面に課題がありました。「BD7Fシリーズ」は、このフォトカプラを不要にすることで、フライバック構築の部品点数をおよそ半分にするなど、システムの小型化に加え、省電力化、高信頼化を一気に実現することができます。また、新開発の適応型オンタイム制御を採用したことで、絶縁電源制御ICの課題であった負荷応答特性の改善も実現しています。電圧変動200mV以下を実現し、こちらでも信頼性の向上に貢献します。

なお、本シリーズは2016年7月よりサンプル出荷(サンプル価格700円/個:税抜)を開始しており、2016年10月より月産50万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。合せて2016年7月から、本シリーズとBD7F100HFN-LBを搭載した評価ボード「BD7F100HFN-EVK-001」のインターネット販売も開始しており、アールエスコンポーネンツチップワンストップザイコストア(コアスタッフ)から購入することができます。

<背景>

電子機器には、人体保護やシステム保護の観点から、必ずと言ってよいほど絶縁機能が搭載されています。近年普及が進むソーラーインバータや蓄電システムなど、高電圧・大電力を扱う産業機器も例外ではなく、さらに長期連続稼働や高温条件下での稼働などの条件も加わることで、信頼性へ要求はますます厳しくなっています。

これまで、絶縁電源の制御部品にはフォトカプラなど多くの構成部品が使用されていましたが、回路規模や経年変化などの信頼性に課題があり、改善が求められていました。

フォトカプラ不要で高信頼化・小型化を実現

<特長>

1. 高信頼性の絶縁機能を簡単に実現

「BD7Fシリーズ」は、過酷な環境下で長時間の連続稼働が必要な産業機器に最適な絶縁電源制御ICとなっています。

パワー系最先端のBiCDMOSプロセスを活用し、アナログ設計技術を駆使することで1次側*3から2次側の電圧・電流を検出することを可能にしています。これにより、従来2次側の電圧・電流を検知するために必要とされた、フォトカプラもしくはトランスの3次巻き線、これらを構成するための部品が不要になるため、部品点数をおよそ半分にするなど、システムの小型化はもちろん、省電力化、信頼性の向上まで実現することが可能です。

2. 適応型オンタイム制御により負荷応答特性を改善

適応型オンタイム制御の効果

これまでの絶縁電源制御ICには、瞬間的な負荷電流の変動に対して出力電圧が大きく変動してしまう課題があったため、従来非絶縁型の電源制御ICで実績があったオンタイム制御を絶縁型電源制御ICに新たに応用しました。

新開発の適応型オンタイム制御により、一般制御方式比で65%以下となる出力電圧変動200mV(負荷電流1A、立ち上がり100µs時)を実現し、瞬間的な負荷電流の変動に対して負荷応答特性を改善することで、信頼性の向上に貢献します。

3. 簡単に評価できる評価ボードも合せて提供開始

評価ボード「BD7F100HFN-EVK-001」

本シリーズだけでなく代表製品「BD7F100HFN-LB」の評価ボード「BD7F100HFN-EVK-001」のインターネット販売を開始します。BD7F100HFN-LB を搭載した入力電圧24V 、出力電圧5V、出力電流800mAの絶縁電源を簡単に評価することができます。

<BD7Fシリーズ ラインアップ>

品名 パッケージ 出力電力 入力耐性 入力電圧
範囲
過電流
リミット
スイッチング
周波数
動作温度 機能
BD7F100HFN-LB HSON8
(2.9×3.0×0.6mm)
1W
(Vin=5V)
5W
(Vin=24V)
45V 3.0~40V 1.25A 400kHz
(Typ.)
-40℃~+125℃ Enable
Soft Start
Efficient Light Load Mode
UVLO
Over Current Protection
Therminal Protection
BD7F100EFJ-LB HTSOP-J8
(4.9×6.0×1.0mm)
BD7F200HFN-LB HSON8
(2.9×3.0×0.6mm)
10W (Vin=24V) 8.0~40V 2.75A
BD7F200EFJ-LB HTSOP-J8
(4.9×6.0×1.0mm)

<用語説明>

*1) フライバック(方式)
回路形態の一種として絶縁電源の構成に使用される。100W程度までの用途に適し、部品点数やコスト面に優れる。他にフォワード方式などがあり、これらを構成するデバイスの進化が絶縁電源の小型化・高効率化を実現している。
*2) フォトカプラ
入力された電気信号を発光素子で光に変換したのち、受光素子が再び電気信号に戻す電子部品。入力側と出力側は電気的に絶縁されているため、電気信号によるノイズや感電を防ぎながら、信号を伝達することができる。
*3) 1次側(電源)、2次側(電源)
電力源からの感電を防ぐため、ACアダプタなどに内蔵される絶縁機能によって、直接的な電流経路を断つことが求められる。この時、電力源から絶縁機能までが1次側、絶縁機能からアプリケーションまでが2次側となる。
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