NXP「i.MX 7Solo/7Dual」プロセッサに最適な高効率パワーマネジメントICを開発
電子書籍やウェアラブル端末、産業機器用ポータブル端末の長時間駆動・小型化に貢献

2016年5月18日

<要旨>

BD71815GW

ローム株式会社(本社:京都市)は、NXP Semiconductors (以下、NXP社)のアプリケーション・プロセッサシリーズである「i.MX 7Solo/7Dual」製品に最適な高効率パワーマネジメントIC(以下、PMIC)「BD71815GW」を開発しました。

「i.MX 7Solo/7Dual」プロセッサは、電子書籍やウェアラブル機器のほか、産業機器向けハンディターミナルやタブレットPCなど、バッテリ駆動で消費電力が重視されるアプリケーションのプラットフォームをターゲットとした製品です。

BD71815GW」は、これまでロームが培ってきたモバイルアプリケーション向け電源技術を用いi.MX 7Solo/7Dualプロセッサ向けに回路構成を最適化し、待機状態/動作状態の消費電力を大幅に削減することで、バッテリ駆動時間の向上に大いに貢献します。

NXP社のマイクロコントローラー担当ジェネラル マネージャー兼シニア バイス プレジデントであるGeoff Lees氏は、「i.MXアプリケーション・プロセッサシリーズ(i.MX 6UL、i.MX 6SL、i.MX 7S、i.MX 7D)は、ロームのPMICと組み合わせて用いることにより、低消費電力、小型、低コストが重視される分野において我々のシステム提案を強化し、幅広い様々なアプリケーションに対応します」とコメントしています。

本製品は2016年3月よりサンプル出荷(600円/個:税抜)を開始、同年4月から月産40万個の体制で量産を開始しました。生産拠点は前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がローム・アポロ株式会社(福岡県)となります。

<背景>

電子書籍やウェアラブル機器のほか、産業機器向けハンディターミナルやタブレットPCなど、モバイル機器の多くは、バッテリ駆動時間の向上が望まれており、部品単体での低消費電力化が大きな課題です。NXP社の「i.MXシリーズ」は、このようなモバイル機器向けで高い実績を誇っており、さらに新シリーズのi.MX 7プロセッサは業界最高レベルの電力効率を誇るARM® Cortex®-A7と、Cortex-M4コアを搭載したGHzクラスのアプリケーション・プロセッサで、それぞれ100µW/MHzと70マイクロW/MHzのプロセッサ・コア効率レベルを実現します。

<新製品の詳細>

※1:Buck converter部のチャンネルあたりの消費電流

BD71815GW」は、ロームが得意とするアナログ設計技術を駆使し、「i.MX 7Solo/7Dual」プロセッサの駆動に最適な電源システムを実現。従来品同等の高い電力変換効率(82%以上)を確保した上で、アプリケーションにおける低消費電力化のカギとなるスタンバイ時の消費電流をさらに16%削減※1することに成功しました。

また、30V耐圧の入力過電圧保護(OVP)付きLi-ionバッテリチャージャ、LEDドライバ(6灯)を内蔵。スイッチング周波数の高速化(6MHz)による外付けコイルの小型化、搭載機能の最適化、WL-CSPを採用した小型パッケージ(16mm²:従来面積比75%減)の採用により外付け部品を含めた大幅な実装面積の削減を実現しました。

さらにクーロンカウンタを内蔵し、ローム独自のアルゴリズムを搭載したリファレンスソフトウェアを用いることにより高精度な電池残量監視を可能としました。

本製品はモバイル機器で必要とされる「低消費電力」、「小型」、「高精度」に大きく貢献します。

<新製品の特長>

MODE Current Consumption
SLEEP 10µA(PFM)
STANDBY 10µA(AUTO)

* Specified by design

新技術によりスムーズにPWM modeへ移行

1. i.MX 7Solo/7Dual製品のパワー・レールに最適化
高効率降圧コンバータで更なる低消費電力化に貢献!

i.MX 7Solo/7Dualプロセッサのパワー・レールに合わせた電源回路を実現したことにより、スリープ時の低消費電力化はもちろん、スタンバイ時電流も極小の10µAを達成しました。

また、PFM(Pulse Frequency Modulation)モードとPWM(Pulse Width Modulation)モードを負荷電流によってスムーズに切り替えるSeamless Switching Mode Control (SSMC)機能により、全負荷領域において安定した82%以上の高効率化を実現。バッテリ駆動のアプリケーションに最適な電源システムを実現します。

2. 多彩な小型化技術により外付け部品を含めた大幅な実装面積の削減を実現

実装面積をトータルで約50%削減!

1) WLCSPパッケージを採用

4mm×4mm角(16mm²)のWLCSPパッケージを採用。従来品(8mm×8mm=64mm²)と比較し、実装面積を75%低減しました。

2) 様々な外付け機能を内蔵

ポータブル機器の電源として一般的なリチウムイオン/リチウムポリマバッテリ用の500mAチャージャ機能(MOSFETの追加で2Aに拡張、30V耐圧の過電圧保護機能付き)を内蔵したことに加え、バックライト用LEDドライバ 6灯(1列)を内蔵しました。

3) スイッチング周波数の高速化により外付けコイルの小型化を実現

Buck Converterのスイッチング周波数を従来の2.5MHzから6MHzに高速化させることにより、外付けコイルの小型化を実現し、従来に対し実装面積を25%削減しました。

3. 機能の集積化と独自のソフトウェアで高精度な電池残量監視を実現

プロセッサに必要なパワー・レールに合わせた電源回路とバッテリチャージャ及びクーロンカウンタを集積化したことにより、システムとバッテリの状態に合わせた電池残量検出を可能とします。さらに独自のアルゴリズムを搭載したリファレンスソフトウェアにより検出誤差を極少化。これにより高精度な電池残量の監視を可能としました。

4. ポータブル機器が必要とする多彩な機能を内蔵

  • 6.0MHz 降圧×5チャンネル
  • LDO×7チャンネル
  • リチウムイオン/リチウムポリマバッテリ用500mAチャージャ
  • 15bit ΔΣ- ADC クーロンカウンタ
  • Real Time Clock (RTC)
  • 32.768kHz 水晶発振回路
  • 6灯1列 25mA 調光付LEDドライバ
  • l²C インタフェース(100kHz, 400kHz)

5. 評価用ボードも準備

各種評価ボードを準備しております。

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