インドアナビで最高性能を実現する新型地磁気センサ(MIセンサ)を開発
業界最高精度と最小消費電流で、モバイル機器アプリに進化を提供

2015年6月17日

※2015年6月17日現在ローム調べ

<要旨>

「BM1422GMV」パッケージ MLGA010V020A

ローム株式会社(本社:京都市)は、スマートフォンやウェアラブル機器をはじめとしたモバイル機器に向けて、業界最高精度で方位を検出するMIセンサ*1「BM1422GMV」を開発しました。
「BM1422GMV」は、業務提携を進める愛知製鋼株式会社のMI素子開発技術と、ロームが得意とする半導体生産技術、センサ制御技術が融合することで生まれた新製品です。
業界最高の精度(方位誤差±0.3度以下)と業界最小の消費電流(一般的なホール素子品比較で1/20以下)を同時に実現しており、地磁気センサ(電子コンパス)市場に革新的な価値を提供し、期待高まるインドアナビ*2の普及に貢献します。
2015年4月よりサンプル出荷(1000円/個:税抜)を開始しており、2015年5月から当面月産100万個の体制で量産を開始しています。
今後もロームは、IoT(モノのインターネット)やセンサネットワークに欠かせない高精度・低消費電流を追求したセンサ製品の開発を進めていきます。

<背景>

近年、スマートフォンやウェアラブル機器などのモバイル機器において、定点で方位を検出するだけでなく、屋内でもGPSのように移動中にリアルタイムの位置検出を行いながら、立体的な情報も含めて正確に目的地を目指したり、移動の軌跡を示すことができるインドアナビ用の方位検出が求められるようになっています。
これまで、方位を検出する地磁気センサにはホール素子が採用されていましたが、精度に課題があり、インドアナビの普及には至っていません。また、精度に強みがあるMR素子も登場しましたが、モバイル機器の消費電流としては課題が残ります。これらの課題に対してロームは、2013年2月より愛知製鋼株式会社と業務提携を行い、精度、消費電流などで既存技術を凌駕するMI素子を使用したセンサ開発を進めてきました。

<アプリケーション>

アプリケーション例

●スマートフォン、タブレットPC、ウェアラブル機器などのモバイル機器:
インドアナビ用位置検出、AR(Augmented reality: 拡張現実)コンテンツ、超低消費電流の方位検出(電子コンパス用途)

<特長>

MIセンサブロック図

1.新たな価値を生む検出精度誤差±0.3度以下
高感度MI素子と、ノイズに強い高精度なA/Dコンバータを搭載したアナログフロントエンド回路を組み合わせることで、σノイズの影響を一般品比の1/7となる0.06µTに低減することができました。これにより、業界最高の方位検出精度誤差±0.3度以下を達成し、IoTやセンサネットワークのイノベーションを加速することで、インドアナビをはじめとした新しいセンサアプリケーション実現に貢献します。
なお、インドアナビにローム製の気圧センサ「BM1383GLV」を組み合わせてご使用いただければ、フロアごとの詳細な情報など、楽しいアプリケーションが広がります。

インドアナビで精度を比較 世界各国における方位誤差実測値比較
モバイル機器に貢献する超低消費電流

2.モバイル機器に最適な超低消費電力
一般的な地磁気センサは、精度向上のためにセンシング(演算)回数を増やし平均値を出す必要がありますが、高感度なMIセンサは、センシング回数を減らしても高い精度を実現できることから、演算処理に必要な電力を大幅に低減することが可能です。業界最小となる一般品比の1/20となる消費電流0.15mA(100Hz時)を実現し、スマートフォンやウェアラブル機器の長時間使用に貢献します。

<用語説明>

検出方式別特性比較

*1MIセンサ(Magneto-Impedanceセンサ)
特殊なアモルファスワイヤを使用するMI素子を採用した次世代地磁気センサで、愛知製鋼株式会社が世界で初めて開発に成功した。従来の地磁気センサ(ホール素子使用等)に比べ1万倍以上の高い感度を持ち、IT化を加速する新技術として様々な分野への応用が期待されている。

*2インドアナビ、インドアナビゲーション
屋内の地図を指し、インドアマップともいわれる。広く普及しているGPS(Global Positioning System)では、屋内をカバーすることが難しいため、センサとビーコンを使用して位置情報を検出することになる。また、屋内では建物の階層など立体的な情報も必要となるため、実現には複数のセンサが必要とされる。モバイル機器で実現することが多いため、省電力化も要求されている。