特集:2014年ハイテクソリューション
ロームの超小型部品「RASMID®」 最新技術

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ロームの超小型部品「RASMID」最新技術

近年、スマートフォンやタブレットPCなど、あらゆる機器の高機能化に伴い、部品レベルでの小型化・薄型化、さらに高精度化・高信頼性が求められている。
最近ではウェアラブル端末も台頭し、小型化・薄型化の要求は高まる一方である。
ロームでは、早くから独自の微細化技術を駆使し、部品の小型化において技術革新を進め、抵抗器やトランジスタ、ダイオード、タンタルコンデンサ、LEDなどで世界最小サイズの製品を提供してきた。
しかし、2004年に0402(0.4×0.2mm)サイズの抵抗器が開発されて以降、小型化は進んでおらず、既存の製造技術では、切断プロセスにおけるパッケージ寸法の公差が±20μmと大きいほか、チップの欠落など、様々な課題があり、0402サイズが微細化の限界とも言われていた。

<微細化の常識を打ち破るRASMID®シリーズ>
そんな中、ロームは2011年に従来の0402サイズに比べて、44%のサイズダウンに成功した世界最小のチップ抵抗器03015サイズ(0.3 mm×0.15 mm)を開発。2012年には世界最小の半導体となる0402サイズのツェナーダイオードを開発した。2013年には、0402サイズのショットキーバリアダイオード(SBD)をラインアップに加えるとともに、ついに03015サイズのチップ抵抗器を量産化した。(写真1)

0.5mmのシャープペンシルの芯と比較
【写真1】 0.5mmのシャープペンシルの芯と比較

ロームでは、これら従来と全く違う新しい工法を用いて小型化を実現し、驚異的な寸法精度(±10μm)を誇る世界最小部品シリーズをRASMID®(ROHM Advanced Smart Micro Device)シリーズと位置付けている。

<驚異的な寸法精度>
従来の製造技術ではなく、独自の微細化技術により製造システムを開発するとともに、ダイシング方法の見直しを行い、切断プロセスにおけるパッケージ寸法の公差を±10μmと大幅に低減。寸法精度の向上により、バリやカケが無くなり、実装時の吸着エラー低減および実装精度に大きく貢献する。(図1)

高精度の切断プロセス
【図1】 高精度の切断プロセス

<下面電極の採用で実装時のエラーを大幅低減>
微小で細長い形状のチップ部品をプリント基板上に並べてリフロー炉などに通してハンダ付けする場合、細長いチップがビルのように立ち並んでしまうことがある。これを高層ビルに見立てて" マンハッタン現象" や、墓石に見立てて" ツームストーン現象" などと呼ぶことがある。
部品が立ってしまう原因としては、はんだの表面張力や温度の上昇のタイミングなど、多様な要素がからまって起こるとされているが、電極の左右のバランスによる部分も大きい。
多面電極の場合、図のように側面と下面がハンダから引っ張られるので赤線方向に力が生じる。図のように、ハンダの印刷位置や電極サイズにばらつきがあると、接触面積が大きい方に引っ張られ、特に極小チップでは、マンハッタン現象が起こりやすい。一方、下面電極であれば、下方向のみに引っ張られるため、マンハッタン現象が極めて起こりにくい。(図2)

電極面バラツキなしのためのマンハッタンフリー
【図2】 電極面バラツキなしのためのマンハッタンフリー

RASMIDの場合、寸法精度の向上により、電極の左右バラツキも少なく、電極表面に耐腐食性に優れた金を採用することで、更にハンダの濡れ性が向上している。

<実装技術の共同開発により、高精度、高密度実装を実現>
RASMIDシリーズは、単に製品の小型化を追求するだけでなく、実装技術に至るまでより実用化に向けた技術開発を行っている。新サイズとなる03015においては、主要なマウンタメーカ4社との協議を重ねた結果、大量のサンプル提供による実装評価においても不良率ゼロを達成した。
さらに、端子電極を覆うようにハンダ盛りされた部分をフィレットというが、多面電極の場合、側面や上面にもはんだが回り込むため、プリント基板のランド面積を大きく取る必要がある。高精度化と下面電極化により、必要最低限の面積で済み、実装面積として約40%の低減が可能となる。

<小型軽量化により、衝撃性、接合信頼性にも優れる>
小型化および下面電極の採用により、はんだの接地面積が小さくなり、衝撃性への耐性が弱まるのではという懸念も聞かれるが、従来の0402サイズに比べて材料を見直し質量を軽量化しているため、セット落下時の基板に加わる衝撃力に対する耐性は、逆に向上している。

<0402(0.4×0.2mm)サイズのショットキーバリアダイオード>
RASMIDシリーズの特徴である新工法を使用し、スマートフォンなどのモバイル機器向けに高密度実装を可能とした世界最小クラスのショットキーバリアダイオード。従来の0603サイズ(0.6mm×0.3mm)に比べて、82%のサイズダウンに成功。(図3)

ショットキーバリアダイオード 0603と0402のサイズ比較
【図3】 ショットキーバリアダイオード 0603と0402のサイズ比較

ダイオードは、一般的にチップの微細化と電気的特性は相反関係にある。この相反関係を打ち破り、独自のチップデバイス構造と超精密加工技術を採用することで、順方向電圧(VF)をはじめとする主な電気的特性を従来品(0603サイズ)と同等に維持した上で超小型化、超薄型化を可能にした。(表1)

0603と0402のスペック比較
【表1】 0603と0402のスペック比較

<03015(0.3×0.15mm)サイズの抵抗器>
量産レベルにある電子部品として最も小型化を実現した03015抵抗器。従来の0402サイズに比べて、56%のサイズダウンに成功している。(図4)

抵抗器 0402と03015のサイズ比較
【図4】抵抗器 0402と03015のサイズ比較

2012年1月にサンプル出荷を開始し、2013年から本格量産をスタートした。(表2)さらなる機器の小型化に貢献していくため、0201(0.2×0.1mm)サイズも開発も進めている。

03015のスペック表
【表2】 03015のスペック表

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