業界初のPFC制御機能を搭載した高効率AC/DCコンバータICを開発
100Wクラスを必要とする電子機器の待機電力を大幅に削減

2013年11月29日

<要旨>
パッケージ ローム株式会社(本社:京都市)は、TVや産機用電源など100Wクラスのミドルパワーを必要とする電子機器向けに、PFC(力率改善)コントローラとQR(疑似共振)コントローラをワンパッケージ化した高効率なAC/DCコンバータIC「BM1C001F」を開発しました。
本製品は、業界で初めてPFCコントローラにON/OFF設定機能とPFC出力新制御方式を搭載しました。軽負荷時においても効率改善を実現し、機器の待機電力を大幅に削減。このICを使用した電源回路を構成すれば、国際規格Energy Star6.0が定める水準もクリアできます。さらに、2つのコントローラをワンパッケージ化することで、部品点数が削減できるため、電源の小型化にも貢献します。
なお、本ICは既に9月からサンプル出荷(サンプル価格100円)を、10月から量産を開始しています。生産拠点は、前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。

※11月29日現在 ローム調べ

<背景>
近年、電力供給不足の問題に伴い、機器の省エネ化を実現するため電源においても高効率化が求められています。一方で、75W以上の電子機器には他の機器に障害をおよぼす高調波を制御するため、PFCコントローラの搭載が必要とされていますが、PFCコントローラを搭載することで効率が落ちてしまうという背反事項があります。
また、大型液晶TVに代表される100Wクラスの機器においては、設計・評価負荷の軽減や修理の利便性から電源のアダプタ化が進んでいます。しかし、従来のようにQRコントローラを搭載したAC/DCコンバータICとPFC回路を個別で使用する回路構成では、電源の省スペース化のニーズに反し、基板面積の増大が問題とされていました。

<新製品の詳細>
BM1C001F 100Wクラス電源での効率今回、ロームは業界で初めてPFCコントローラのON/OFFを自由に設定できるON/OFF設定機能をICに搭載。軽負荷時の変換効率をアップし、待機電力削減にも貢献します。また、昇圧コンバータ方式であるPFCコントローラにローム独自のPFC出力新制御方式を搭載しました。これにより、特にAC100V系においては効率を大幅に改善することができます。例えば、100Wクラスの電源でこのICを使用した場合、効率がAC100V時に89.0%、AC230V時に89.5%と、国際規格Energy Star 6.0の要求88%以上もクリアしています。
さらに、レイアウトの最適化により従来個別に使用されていたPFCコントローラとQRコントローラをワンパッケージ化することができ、従来に比べて約20%部品点数を削減することが可能になります。

これらの技術を活かして、ロームは一次電源ICからDC/DCコンバータICに至るまで幅広い製品を取り揃えており、トータルソリューションでの提案により、システム全体の省エネ化に貢献してまいります。

<特長>

1.業界初のPFCコントローラON/OFF設定機能の搭載により、
  軽負荷時の変換効率アップと待機電力削減に成功

・二次側の負荷電力をモニターし、
 その電力に対してPFCコントローラをON/OFFすることで、
 特にPFCが必要ない負荷範囲(75W以下)において、
 電源の変換効率改善に貢献しています。
・100Wクラスの電源でこのICを使用した場合、
 待機電力はAC100V時に85mW以下、AC230V時に190mW以下と、
 国際規格Energy Star6.0の要求210mW以下もクリアしています。

高放熱パッケージ構造

2.ローム独自のPFC出力新制御方式により、世界各国でのAC入力電圧に対して高効率を実現
世界各国でAC電圧の入力範囲は異なりますが、従来のPFC ICでは出力電圧が一定だったため、AC100V入力の場合、スイッチング損失が大きくなってしまうという課題がありました。
本製品はPFC出力新制御方式を搭載することにより、AC入力電圧に適した電圧を出力することができます。例えば、100Wクラスの電源においては、AC100V系でPFC出力を固定した場合と比べて約1~2%の変換効率改善が見込まれます。

3.QRコントローラとPFCコントローラのワンパッケージ化により、部品点数を大幅に削減
PFCコントローラとQRコントローラをワンパッケージ化することで、共通設計部分の部品点数を削減することができます。従来外付けでPFC回路を使用していた場合と比較して、約20%の削減に成功しました。

<ロードマップ>

<スペック表>

ロードマップ スペック表

<用語説明>

  1. PFC(Power factor correction)コントローラ
    高調波電流低減のため、電源の力率を1に近づけるコントローラのこと。欧州では既に75W以上の機器には搭載が義務づけられており、日本でもほぼ搭載されている。
  2. QR(Quasi-Resonant)コントローラ
    ミドルパワーを必要とする機器においては、PWMコントローラよりも変換効率の高いコントローラのこと。共振現象を利用して電源ノイズも低減できる。
  3. 高調波
    基本の周波数に対し、整数倍の周波数を持つ電流もしくは電圧のこと。
新商品速報  : ミドルパワークラスAC/DCコンバータIC BM1C001F (332KB)
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