低電圧化と信号処理の大幅な高精度化を実現
モーションセンサの信号増幅に最適なオペアンプ登場

2013年11月8日

パッケージ <要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、加速度(衝撃)・角速度および圧力などのモーションセンサのアンプ用途に最適なオペアンプ「BD5291G / BD5291FVE」を開発しました。
近年、スマートフォン、タブレットPC、ポータブルゲーム機を始めとする、様々なアプリケーションで加速度、角速度などの情報を検知するためにセンサが使われています。センサはアプリケーションに加わる様々な物理的変化を信号に変換するデバイスであり、出力される微小信号を利用するためにはこの信号を増幅しなければなりません。センサ用アンプはセンサの後段に配置し、信号を増幅しますが、微小な信号を高精度に増幅しなければならないため繊細なアナログ技術が必要とされています。
本製品は、ロームが得意とするアナログ技術を駆使し、1.7Vの低電圧動作で入出力フルスイングを実現するとともに、微小な信号処理に対して従来比約18倍となる高精度化(高い同相信号除去比)を達成しました。
BD5291G は2013年8月より既にサンプルを出荷(サンプル価格50円)しており、2013年11月から当面月産50万個の体制で量産を開始しています。生産拠点は前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Electronics Philippines Inc.(フィリピン)となります。さらにパッケージを小型にしたBD5291FVEは2013年12月よりサンプル出荷(サンプル価格50円)、2014年3月から当面月産50万個で量産を開始する予定で、生産拠点は前工程がローム・ワコー株式会社(岡山県)、後工程がROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)となります。

<特長>

1.低電圧動作と入力フルスイングを両立
電源電圧1.7V動作を保証する低電源電圧動作と入出力フルスイングを両立しており、低電圧動作を必要とする幅広いアプリケーションに最適です。

2.高精度の信号増幅が可能
差動入力段で発生するオフセット電圧の変化量を大幅に低減することにより70dB(Min)の高い同相信号除去比を実現しました。センサなどの微小な信号をより高精度に増幅することが可能です。

低電圧動作と入力フルスイングを両立 高精度の信号増幅が可能

同相信号除去比(CMRR)比較 <新製品の詳細>
本製品は共存が困難である低電圧動作、入出力フルスイング、高い同相信号除去比を同時に実現しており、センサ出力信号のような微小な信号を扱うアプリケーションの高精度化に貢献します。また、マイクアンプやアクティブフィルタ、バッファアンプ、増幅回路など、一般的なオペアンプ用途にも使用可能です。
デジタル系とアナログ系電源の一本化に伴う電源電圧の低電圧化に対し、従来の入出力フルスイングオペアンプは1.8Vからの動作保証であったのに対して、本製品は、電源電圧変動に対するマージンを確保できる1.7Vの低電圧動作を実現しました。さらに、同相信号除去比においても従来品の45dB(Min)に対し70dB(Min)を実現しており、より高精度な信号増幅が可能となります。(CMRRは同相信号の変化量を出力電圧変動量で除したものとなり45dBは約178倍、70dBは約3162倍となります)

<アプリケーション>
◇スマートフォン
◇タブレットPC
◇ポータブルゲーム機
◇ポータブルCD / DVDプレイヤー
などモーションセンサを必要とする機器

◇マイクアンプ
◇アクティブフィルタ
◇バッファアンプ
◇増幅回路
など一般的なオペアンプ用途

アプリケーションブロック図

○新製品の性能
今後も、低電圧動作、入出力フルスイングの利点を活かしたシリーズ品を開発していきます。

製品名 電源電圧範囲
(VDD)[V]
入出力範囲
[V]
CMRR
(Min)[dB]
入力オフセット
電圧(Max)[mV]
パッケージ名 パッケージ
サイズ[mm]
NEW
BD5291G
1.7 ~ 5.5 0 ~ VDD 70 ±2.5 SSOP5 2.9 x 2.8 x 1.25
開発中
BD5291FVE
VSOF5 1.6 x 1.6 x 0.6
従来品 1.8 ~ 5.5 0 ~ VDD 45 ±9 SSOP5 2.9 x 2.8 x 1.25
※SSOP5はSOT23-5相当

<ロームの入出力フルスイングCMOSオペアンプシリーズ>

製品名 回路数 パッケージ 動作電圧範囲
(VDD)[V]
回路電流
(Typ) [μA]
入力オフセット
電圧(Max) [mV]
CMRR
(Min)[dB]
利得帯域幅積
(Typ)[MHz]
スルーレート
(Typ)[V/μs]
BD5291G 1 SSOP5 1.7 ~ 5.5 650 ±2.5 70 3.2 2.5
BD5291FVE VSOF5
BU7295HFV 1 HVSOF5 1.8 ~ 5.5 150 ±6 45 1 1
BU7261G 1 SSOP5 1.8 ~ 5.5 250 ±9 45 2 1.1
BU7262F 2 SOP8 1.8 ~ 5.5 550 ±9 45 2 1.1
BU7262FVM MSOP8
BU7262NUX VSON008X2030
BU7264F 4 SOP14 1.8 ~ 5.5 1100 ±9 45 2 1.1
BU7264FV SSOP-B14
BU7275HFV 1 HVSOF5 1.8 ~ 5.5 40 ±6 45 0.6 0.3
BU7241G 1 SSOP5 1.8 ~ 5.5 70 ±9 45 0.9 0.4
BU7242F 2 SOP8 1.8 ~ 5.5 180 ±9 45 0.9 0.4
BU7242FVM MSOP8
BU7242NUX VSON008X2030
BU7244F 4 SOP14 1.8 ~ 5.5 360 ±9 45 0.9 0.4
BU7244FV SSOP-B14
BU7271G 1 SSOP5 1.8 ~ 5.5 8.6 ±8 45 0.09 0.05
BU7205HFV 1 HVSOF5 1.8 ~ 5.5 0.4 ±9.5 45 0.0025 0.0025
BU7265G 1 SSOP5 1.8 ~ 5.5 0.35 ±8.5 45 0.004 0.0024
BU7266F 2 SOP8 1.8 ~ 5.5 0.7 ±8.5 45 0.004 0.0024
BU7266FV SSOP-B8
BU7266FVM MSOP8
BU7255HFV 1 HVSOF5 2.4 ~ 5.5 540 ±9 40 4 3.4
BU7291G 1 SSOP5 2.4 ~ 5.5 470 ±9 40 2.8 3

<用語説明>

  1. 入出力フルスイング
    電源電圧の下限(VSS)から電源電圧の上限(VDD)まで信号を入力、出力可能な品種。
    一般的なオペアンプの最大出力電圧振幅は、電源電圧の上限(VDD)および下限(VSS)より1V~2V程度、回路が動作しない領域が存在します。動作電源電圧が低い場合、入力できる電圧範囲が狭くなり出力電圧も十分に取り出すことができません。それに対し入出力フルスイングオペアンプは、入力電圧を電源電圧の上限(VDD)および下限(VSS)まで入力でき、出力電圧をVDDおよびVSSまで取り出すことができます。
  2. 同相信号除去比(CMRR / Common-Mode Rejection Ratio)
    アンプ(増幅器)において2つの入力端子に全く同じ信号(同相信号)を入力した場合、理想的には出力はゼロになります。しかし実際にはオフセット電圧により何らかの電圧が出力され誤差となります。この同相信号を除去する能力の尺度のことを同相信号除去比(CMRR)と言います。同相信号除去比が高いアンプは、同相電圧上の微小な信号を増幅する場合や、2つの信号の電圧の差分が重要である場合などに選択されます。
新商品速報  : モーションセンサに最適な入出力フルスイングオペアンプが登場! BD5291シリーズ (339KB)
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