電力線搬送通信「HD-PLC」 inside規格に準拠するベースバンドICの基本設計を完了
コンセントにプラグを差すだけで実現する通信、PLCがもっと身近に

※2013年9月30日現在 ローム調べ
2013年9月30日

<要旨>
パッケージ ローム株式会社(本社:京都市)は、2013年1月に世界で初めて電力線搬送通信(PLC)規格の「HD-PLC」 insideのライセンスを受け、規格に準拠するベースバンドICの開発をスタートし、基本設計を完了しました。
「HD-PLC」 insideは、既存の電力線を活用する高速の電力線搬送通信の一つとして注目されている「HD-PLC」の組み込みに適した規格であり、白物家電やHEMS、BEMS、HAN関連機器などに組み込むことで、電力線を通信のネットワークとして利用できるようになります。新たな規格には間欠動作機能が搭載されており、従来のPLC製品と比べ大幅な低消費電力化を実現します。
今回のベースバンドICは、「HD-PLC」 insideのベースバンド処理の他、ARM7TDMIコアを内蔵し、IC内でTCP/IPなどのプロトコル処理を可能にします。このため、家電製品などの既存システムから大幅な変更を必要せず、お客様の「HD-PLC」導入における開発負荷を大幅に軽減する事ができます。
2014年3月より拡販用のサンプル出荷(サンプル価格2,500円)を開始し、2014年6月から当面月産10万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は前工程がラピスセミコンダクタ宮城(宮城県)、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。
なお、「HD-PLC」を実感できるデモンストレーションを10月1日~5日に千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN2013」のロームブースで参考出展する予定です。ぜひご来場ください。

電力線搬送通信を実現する「HD-PLC」の新規格、「HD-PLC」inside

「HD-PLC」 insideに準拠する製品をエアコンや冷蔵庫などの白物家電、照明機器やHEMS、BEMS、HAN関連機器に組み込むことで、新しいネットワークを構築することなく、より豊かで利便性の高い生活シーン創造に貢献します。

<背景>
ロームグループのコア技術を集結 近年、HEMS、BEMSやHANのように、家電などの機器をネットワークに接続する事で、エネルギー管理や遠隔操作など、より豊かで利便性の高い生活シーンを創造する動きが活発になってきています。
ロームグループは兼ねてより、無線LANやSub-GHz帯向けなどの無線通信用途の製品を開発していますが、一方で無線には、セキュリティ面や混信を懸念されるお客様がいる事や、鉄筋コンクリートや金属フレームを使用した建築環境下で通信品質が低下するといった課題があります。
ロームグループでは、これらの課題を補い無線と共存関係を築ける通信手段として、有線の電力線ネットワークを活用する「HD-PLC」に注目していました。
2012年に「HD-PLC」のアライアンスに参画したロームは、新規格「HD-PLC」 insideの実現ためにグループ内の豊富な技術を結集し、「HD-PLC」 insideに準拠するベースバンドICの開発に着手し、基本設計を完了しました。

<ベースバンドICの特長>
1.ARMコア内蔵による導入負荷軽減
今回のベースバンドICは、「HD-PLC」 insideのベースバンド処理に加えて、ARM7TDMIを内蔵しIC内でプロトコル処理(TCP/IP)を可能にします。このため、セット製品の既存システムの大幅な変更を必要とせず、お客様の「HD-PLC」導入における開発負荷を軽減する事ができます。また、スマートハウスの通信規格であるECHONET LiteミドルウェアやSSL(暗号化)にも対応する事ができます。

2.低消費電力を実現
間欠動作機能を内蔵することで、モジュール状態の受信待機時では、従来のPLC規格に対しておよそ30分の1になる低消費電力通信が可能です。

<参考資料>
PLC(Power Line Communication / 電力線搬送通信)とは
「HD-PLC」(High Definition Power Line Communication)とは
 

PLCは既存の電力線を通信回路にすることで、手軽に有線のネットワークを構築できる技術として注目されていましたが、電力線上での周波数ノイズ耐性に懸念があり、高い周波数の電気信号を流すことを想定していなかったため、大容量の通信を行うことができませんでした。

「HD-PLC」はパナソニック株式会社が開発したPLC規格であり、最大理論値で200Mbps以上の高速伝送を可能にしたことにより、PLCの課題であった大容量の映像などもやり取り可能なホームネットワークを実現できます。
国内のみならず、規格策定機関であるIEEEにIEEE1901 「HD-PLC」として認定されており、欧州のCENELECや中国のIGRSなどの様々な規格団体とも連携するなど、世界各国への普及が進んでいる規格です。
ロームは2012年10月より「HD-PLC」のアライアンスに参画し、世界に先駆けて「HD-PLC」 insideに準拠するベースバンドICの開発に着手しました。
今後も、ロームはセンサやインタフェース、通信などの多岐にわたる技術を活かしてHEMS、BEMS、HAN時代に必要不可欠なソリューションを幅広く提供していきます。

HD-PLCの主な歩み

<用語説明>

1. 「HD-PLC」 complete
HD-PLC HD-PLCアライアンスが提唱した最初の規格。「HD-PLC」 insideと比較した場合、通信速度が速い。「HD-PLC」 insideが家電などの組み込みに使用されるのに対し、「HD-PLC」 completeはルーターなどのPLC通信の基幹や大容量データを扱う機器を対象として使用されている。

2. HEMS(Home Energy Management System) / BEMS(Building Energy Management System) / HAN(Home Area Network)
HEMSは家庭内のネットワーク(HAN)を利用し、エネルギーを管理するシステムのこと。BEMSは家庭ではなくビルが対象。個々の機器の消費電力(発電機の場合は供給電力)などを計測し、制御する事で節約や効率化につなげる。
HANは家庭内のエネルギーをセンシングや制御を目的とする点でHEMSと似ているが、HANはシステムではなくネットワークそのものを指す。

3. 間欠動作
待機時などに不要な動作を省く事。ICにおいては特定の回路の動作を停止させ消費電力を低減させることを指す。

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