WPC Qi(チー)規格Low Power Ver1.1に準拠するワイヤレス給電受信用制御ICを1chipで開発
低発熱を実現し、業界初の位置ずれ検知機能で高効率動作に貢献

※2013年9月26日現在 ローム調べ
2013年9月26日

<要旨>
パッケージ ローム株式会社(本社:京都市)は、スマートフォンやモバイル機器向けのワイヤレス給電受信用制御IC「BD57011GWL」を開発しました。
BD57011GWLは、ロームとしてワイヤレス給電を構築する制御ICの第一弾となる新製品であり、ワイヤレス給電の規格で注目されているWPC(Wireless Power Consortium)の最新Qi規格Low Power Ver1.1に準拠しています。
1chipでありながら低発熱を実現し、従来品と比較した場合では給電時の温度上昇を約75%に低減可能で、実装面積削減と低発熱を両立させています。さらに、業界初の位置ずれ検知機能の搭載により、位置ずれ時の充電効率低下を検知できるため、高効率動作に貢献します。
本製品は、2013年11月よりサンプル出荷(サンプル価格500円)を開始し、2014年2月から当面月産50万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がローム・アポロ株式会社(福岡県)となります。

<背景>
ワイヤレス給電技術は、モバイル機器市場において充電時の電源コードを不要にし、機器コネクタの防水性・防塵性の向上を見込めることと、一つの給電装置を様々な端末に使用できることを理由に、注目されています。
しかし、スマートフォンなど5Wクラスの電力をワイヤレスで送受信するには大きな発熱が生じることが大きな課題となっていました。

1.1chipでありながら低発熱を実現
最先端のBiC-DMOSプロセスを採用してMOSFETのオン抵抗を可能な限り低くすることに成功しており、1chipでありながら低発熱を実現し、実装面積と低発熱の両立を実現しています。従来品と比較した場合では、給電時の温度上昇を約75%に低減できます。

業界初の位置ずれ検知機能で充電が高効率化

2.業界初の位置ずれ検知機能で充電が高効率化
端末の充電時、端末が給電装置の中心に設置されていなければ、充電効率は著しく低下します。
位置ずれ検知機能は、端末の位置ずれに対してアラームを出力することができ、充電の高効率化に貢献します。

業界初の位置ずれ検知機能で充電が高効率化
○WPC Qi規格 Low Power Ver1.1

最新のWPC Qi規格Low Power Ver1.1はワイヤレス給電の国際標準規格として2012年4月に策定されました。
2010年、最初に策定されたLow Power Ver1.0との違いとして、Ver1.1では安全性の向上を目指して、新たにFOD(異物検出機能)の搭載が義務付けられています。
ロームはWPCに最大25社から構成される正規メンバーとして加盟しており、普及が進んでいるワイヤレス給電規格「Qi」の策定の段階から協議に参加しています。

○非常に高い安全性を誇るFOD (Foreign Object Detection / 異物検出機能)

FODは最新のQi規格から搭載を義務付けられており、金属の物体が送受信機間に存在する場合に金属の発熱による筐体の変形や火傷の発生を未然に防ぐため、安全性が飛躍的に向上します。
FODの実現には送信側と受信側の複雑な合わせこみの技術が必要ですが、ロームでは、自社のアナログ技術とグループ会社であるラピスセミコンタクタのデジタル技術を結集することで実現を可能にしています。
実際には、受信側で電力損失の計算を行う際に、受信セットごとに異なる損失誤差の微調整を外付け抵抗で設定できるため、非常にフレキシブルかつ高精度のFODを実現しています。

非常に高い安全性を誇るFOD

<Qi規格の拡張と開発ロードマップ>
Qi規格はワイヤレス給電の市場拡大に伴う対応電力範囲の拡大に動き始めています。
Qi規格の拡張に対して、ロームはグループ内でワイヤレス給電に必要なコア技術を全て保有していることを活かし、送信用の制御ICと市場拡大に伴うMedium Power(5W~)製品の開発を行う予定です。
なお、Medium Powerに対応するワイヤレス給電用のICを10月1日~5日に千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN2013」のロームブースで参考出展する予定です。ぜひご来場ください。

Qi規格の拡張と開発ロードマップ

<用語説明>
・WPC(Wireless Power Consortium)
電子機器のワイヤレス給電技術に関する国際標準規格「Qi」の策定と普及を目的として設立された業界団体。

・Qi(チー)規格
WPCが提唱する、普及が進んでいるワイヤレス給電の規格。現在はスマートフォンなどの小型モバイル機器向けLow Power(~5W)の規格が主であるが、拡大する市場に伴い、Medium Power(5W~)の規格の策定を目指している。

・オン抵抗 MOSFETの動作時(通電時)の抵抗値。値が小さいほど電力損失が少なくなる。

 

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