2010年のニュース

2009年のニュース

2008年のニュース

ニュース

News

2009年のニュース

不揮発ロジック技術は量産化の段階へ!
ロームが世界初の不揮発ロジック技術を用いた 4ビットロジックカウンタIC 「BU70013TL」のサンプル出荷を開始します!

発表日:2009.04.23
4ビット不揮発ロジックカウンタIC「BU70013TL」

半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)は、不揮発ロジックICの量産化にあたっての課題であった信頼性の確保に関する技術を確立し、量産化に向けて大きく前進しました。今回その技術を用いた不揮発ロジックCMOS同期式の4ビット不揮発ロジックカウンタIC「BU70013TL」を開発しました。この製品は2009年6月からサンプル出荷(サンプル価格:500円)を行い、お客さまの評価をいただいたのち、月産20万個の規模で10月より量産を開始していく予定です。生産はローム株式会社本社(京都市)で行う予定です。

ロームの不揮発ロジック技術は、ローム独自の強誘電体セパレート構造により、ICのロジック性能と信頼性を損なうことなくレジスタ領域の不揮発化が可能なため、電源オフ後もデータ保持ができ、電源オン時には、電源オフ直前の状態から動作再開ができるといった特長があります。既存のICでも部分的に回路の電源を切って消費電力を削減する方法はありましたが、データ記憶用の回路は電源を切ることができませんでした、これに対して不揮発ロジックICは完全に電源を切ることができるため、待機時間の消費電力をゼロにできます。

ロームは2008年5月に不揮発ロジック技術開発成功の発表を行って以降、製品化、量産化に向けた技術開発を進めてまいりましたが、量産化にあたっては回路信頼性の確保が大きな課題となっていました。信頼性確保のためには、強誘電体素子特有の信頼性評価が必要となりますが、デジタル回路内に専用評価回路を実装すると、回路面積が非常に大きくなるという問題がありました。今回ロームでは不揮発レジスタ内にトランジスタ数個レベルのシンプルな特性評価用回路を実装するとともに、本来ロジック回路の評価に使用するデバッグ線を流用し、強誘電体素子の評価を行う機構を開発しました。これにより、回路面積の増加を最小限に抑えつつ、強誘電体素子特有の信頼性評価が可能となりました。

今回この技術を活かし、不揮発性が求められる電力メータやガスメータなどインフラ用メータ機器などの組込み用途向けの4ビット不揮発ロジックカウンタIC「BU70013TL」を開発、サンプル出荷をすることといたしました。
これは不揮発ロジック技術により動作中に電源供給が遮断されてもカウント値が保持されており、バッテリーによるバックアップがなくても電源供給開始時には以前のカウント値から動作を再開できるため、メカニカルカウンタ、ボリューム等の置き換えに有用なデバイスです。

消費電力の面から見た場合、データ保存用のEEPROMを外付けした一般的なカウンタICでは、 EEPROMへのデータ書込みのつど1mA強、読出し時でも0.1mA強(1KbitのEEPROMの場合)の電流が必要となります。 またEEPROMはデータ書き込みに時間がかかるため、電源遮断後にカウンタ内データをEEPROMに書き込むことができないため、 カウント値の更新ごとにEEPROMにデータを書き込む必要がありました。一方、不揮発ロジックカウンタICで用いる強誘電体素子は、 データ書込み/読出し時にわずか0.01mA弱の電流しか必要とせず、また書込み/読出しが非常に高速なため、 電源遮断後にデータを一度書き込むだけで済みます。
また4ビットパラレルのプリセット機能を用いることで、4ビット不揮発レジスタとしても使用が可能です。

不揮発ロジック技術は、スタンバイ時に電源を遮断することで、消費電力の削減に有効です。 組込み用途ICの低消費電力技術として今後携帯機器、白物家電、パソコン向けなど様々な製品に展開していく考えです。

     

■用語説明

  • 不揮発性
    演算処理の途中結果データなどを記録するための回路の性能を表す言葉で、電源を切るとデータが消えてしまう記憶 回路は揮発性、電源を切ってもデータを残すことができる記憶回路は不揮発性といいます。
  • レジスタ
    デジタル処理(ロジック)回路において、演算途中のデータや演算処理状況を一時的に保持したり、動作状態を保持す るのに用いられる記憶領域のことをレジスタといいます。一般的に、ロジック回路内に分散して配置されています。
  • 強誘電体
    電圧を印加しない状態でも自発分極を持ち、電圧を加えると分極の向きを変えることができる特徴を持つ誘電体の一種。分極の向きによってデータを記憶することで、電源遮断中もデータ保持が可能です。
この製品についてのお問い合わせ